「リテラシー」について

ちょくちょく目にする言葉「リテラシー」
広辞苑によれば
 読み書きの能力。識字。
 転じて、ある分野に関する知識・能力。
とある。

しかしネットの中でこの言葉が使用される場合、
 正しい情報と誤った情報を見分ける能力
という意味で使われているように見える。

なるほど、ネットに限らず、この世界は
「玉石混淆」さまざまな情報が飛び交っている。
中には悪質なデマも多い。

先日のエントリーで紹介したこちら
 「原発がどんなものか知ってほしい」
 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
後で知ったのだが、ネットではこれについて
「怪文書」「デマ」と言う人達も多いようだ。

それでは、どちらが本当なんだろうか?

ということで、今回は真贋を見分けるポイント
「リテラシー」について考えてみる。

【1.根拠があるか?】
ざっと検索してみた反論サイトは、
 「妖精現実 XMLアーカイブ」
 http://www.faireal.net/dat/d2/d20903.xml
それと
 「嘘? ホント?
  問題文章「原発がどんなものか知ってほしい」
  について」
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~asashi/genpa/
この二つが代表的なものらしい。

これらは、「原発がどんなものか知ってほしい」について
「素人がまとめた文章」とか「「極めてアホらしい」文章」
などと書いているが、具体的にどこがどう間違っているのか
については、ほとんど記述がない。
それどころか「嘘? ホント?・・」のほうには、
 「実はここで紹介した方にも、他電力の方や
  プラントメーカーの設計者の方から、
  「ここはこうだから間違っている」等の非常に
  具体的な指摘もあったのですが、書ききれないので省略します。」
そこが重要な部分じゃんか、省略すんなよ。

具体的な根拠や根拠となる考え方の理路を示さない話は
あまり信用しないほうがいいでしょう。


【2.別の事例があるか?】
「原発がどんなものか知ってほしい」だけでは
信用できない、ということならば、
他に同様の事例はないものか?

そこで、広島の地方紙をご紹介
 「被曝と人間 第3部 ある原発作業員の死」
 http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000322.html

そして
 「『野宿労働者の原発被曝労働の実態』をテキスト化していただきました」
 http://san-ya.at.webry.info/201103/article_11.html
さらに、
 「週刊金曜日 4/26号 原発震災」
 「繰り返される悲劇
  差別の上に成り立つ被曝労働の実態」

探せばもっと沢山出てくるだろう。

ですから、「原発がどんなものか知ってほしい」の
言葉尻とか枝葉の部分を指摘して「怪文書だ」などと言っても
原発労働の悲惨さは否定できないんです。

私は以前、自動機械の研究・開発に携わっていたので
よく分かるのですが、機械というものは
常に点検・整備をしていないと正常に動作しません。
そして、人間のように環境や状況の変化に適応して
フレキシブルに作業できるロボットなんてありません。
SF映画やマンガに登場する修理ロボット、ドローン
などは、いまだに夢物語です。

原発を運用するためにも、多くの人間が直接
手をかけてメンテナンスする必要があります。
そして、原発労働者は確実に被曝します。

ですから、原子力発電が、
常に「生贄」を必要とする
非人道的な発電システムだという本質は変わらないのです。

【3.誰が得をするのか?】
動機があるのは誰か?
「デマ」を流すことで、誰が得をするのか?
ということを考えてみる。
刑事ドラマや推理小説などでは基本ですね。

以前のエントリーでも触れたように、
原子力発電は「浪費」だから大金が動く。
原発推進で得をする人は沢山いる。

しかし、反原発運動はお金にならない。

いわゆる「愉快犯」でもなければ
何の得にもならない「デマ」を流したりは
しないだろう。

それではどちらが「デマ」の可能性が高いでしょうか?

【4.どちらが安全か?】
「安全だ」という話と、
「危険だ」という話があって、
どちらが間違いか分からない場合、
とりあえず「危険だ」という話を採用して、
逃げておいたほうが生き残るためには有利でしょ

という話。

仮に、「危険だ」という話が間違いでも、
「間違いでよかったね」ということ。

「津波なんてこない」
「津波が来るぞ」

「原発は絶対安全」
「原発は危険」

「放射能は怖い」
「放射能なんて怖くない」

さて?
どっちの話を採用しますか?

【5.定説と異説と】
「定説」と「異説」とがあった場合、
とりあえず、「定説」と言われている方を
信用したほうが無難でしょ
、という話。

TVなどは面白がって、異説・珍説の類を紹介します。
 「坂本龍馬はグラバーに操られていた」
 「源義経はモンゴルに渡ってジンギスカンになった」
 「豊臣秀吉は忍者だった」
etc.

たしかに「異説・珍説」は面白いのですが、
あまり信用しないほうがいいでしょう。

いま話題の放射能については、
 「低線量の放射線は体にいい」
という話があります。
私は東京大学の稲教授が話しているのを観ました。
 「全然問題ありません!稲博士の緊急提言.flv 」
 http://www.youtube.com/watch?v=hwgkK2T8p2Q

これは「ホルミシス効果」と言うのだそうです。
ウィキペディアで調べてみると・・・
  ただし、WHOは低線量であっても天然ラドンの放射線の危険性を指摘しており[4]、
  また米国などもそれに倣うなど、主流の学説ではない

「主流の学説ではない」ものを根拠にしている話は
あまり信用しないほうがよいでしょう。


【6.相対化を疑う】
 「チェルノブイリほど酷くない」
とか
 「さかんに核実験していた50年代、60年代と
  同じくらいだから問題ない」
とか
 「レントゲンx回ぶんくらいだから大丈夫」
とかいう話もよく耳にします。

昔の人は、物事の本質を無視して、
相対化することを、
 「五十歩百歩」
とか
 「目糞鼻糞を笑う」
とか言ったものです。

ちなみに下に示すのは、
原爆実験前後の小児ガン死亡率のグラフです。
(「週刊金曜日 4/26号 原発震災」より引用)

画像


「~よりましだから心配ない」という話も
真に受けないほうがいいでしょう。



【7.分かったつもりにならない】
以前のエントリー
 「愚かさの正体 追記あり 」
 http://arigirisu.at.webry.info/201010/article_9.html
でも書いたことです。

 無知の無知、無知の否認、こそ
 私たちの愚かさの正体なのだろう。


分かったつもりにならないこと。
考えつづけること。
調べつづけること。

「リテラシー」を高めるために、
私はこれが大事なのだろうと思います。

ですから、【1.根拠があるか?】で紹介した
反論サイトなどを見ただけで、
 『「原発がどんなものか知ってほしい」は
   とっくにデマ認定されている」
  だから、原発作業者の被曝なんて全部嘘だ』
なんて思い込まないことです


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